
好きなブルースアルバムを10作挙げよと言われれば、その中の一つには迷わずブッダ・レコードが1974年にリリースした100% Cottonを選ぶ。ジェイムス・コットンのブルース・ハープを看板に据えて、ギターのマット・マーフィーにケニー・ジョンソン (ds.)、チャールズ・キャルミーズ (b.)、リトル・ボー (sax.)の強力布陣を「ジェイムズ・コットン・バンド」と名乗り”One More Mile”、”Rocket 88″などファンキーなナンバーが炸裂する、ストーンズのメインストリートのならず者に匹敵するくらい熱量の大きいアルバムだ。
もともとソニーボーイウィリアムソンに師事し、リトル・ウォルターの後釜としてマディー・ウォーターズ・バンドに迎え入れられる。70年代にソロ活動をはじめ1974年に前述の100% Cottonが世に出て、数多のブルース・ファンに歓迎された。リトル・ウォルターがちょっと危なっかしいダークなハープを得意とするのに対し、コットンは跳ねるリズムを得意とする明るいファンクがトレードマーク。マット・マーフィーのキレキレのギターにケンカを売るような演奏を100%Cottonで初めて聴いた時には、自然と身体が揺れていた。軟なロックに「そこどかんかい。ブルース様のお通りじゃ~」とでも言いたげな骨太のファンクブルースは唯一無二と言ってもいいだろう。
ご冥福をお祈りします。
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