備忘録 夏っぽいFUSION16選

 

夏になるとフュージョンを聴きたくなる。特に運転しているときに聴きたくなる。最近のお気に入りは昔よく聞いていたダン・シーゲルのセルフタイトルアルバム、中でもA面の流れが軽やかで素晴らしい。同アルバム3曲目には80年台後半にユーミンがDJをつとめていたFM番組サウンドアドベンチャーのオープニング曲(エンディングだったか)のUPTOWNが収録されており、久々に聞きめちゃめちゃ懐かしくなってしまった。

 

なんとなく夏を思わせるこのアルバムを軸にフュージョン畑の曲をコンピレートしたCDRを1枚作ってみた。選んでみるとブラジル、ハワイ、南アフリカ、LAなどトロピカルな地域のミュージシャンの曲が並んだ。それらの曲を聴いているとFMステーションの表紙を飾っていた鈴木英人のイラストがちらついてくる、そんな選曲になったと思う。

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  • UPTOWN:Dan Siegel、ダン・シーゲルの切れのいい(ただ80年代っぽい)シンセピアノにラリー・カールトン(g)、トム・スコット(sax)、エイブ・ラボリエル(b)の鉄壁の布陣がバックを刻む。イントロを聞くとどうしてもユーミンの語りが脳裏をよぎる。(82年)

 

  • Angel:Flora Prim、アル・マッケイ、フィリップ・ベイリーらEW&Fの手によるファンキー路線。アイアート・モレイラのプロデュースにブラジルジャズの歌姫、フローラ・プリムのハミングでブラジル感満載の佳曲。(77年)

 

  • Rout 101:Herb Alpert、80年代にキリンのウィスキー、ロバート・ブラウンのCM曲。スピード感あるリフがかっこいい。この人はトランペットのリフを作る天才で、RX-7のCMで使用されていた『ライズ』やオールナイトニッポンのテーマソング『ビター・スウィート・サンバ』など、知らないうちに脳内メモリーに忍び込んでいる曲が多い。(82年)

 

  • Black Sand:Kalapana、スウィートでメロウなメロディと美しいコーラス・ワークがハワイの雄カラパナの持ち味。インストの本作はカーク・トンプソンのエレピ、J.プラットのギター、マイケル・パウロのサックスはいずれもかなりウェットに泣きまくり。ジャック・ジョンソンの世代には受け入れられないかもしれないけど、わしら世代のハワイ音楽はカラパナだった。(76年)

https://youtu.be/XoAgm6FvGNs

 

  • HOSSAN:Rainbow、ニューヨーク録音の日本企画盤。ウィル・ブールウェア(kb)をリーダーにマイケル・ブレッカー(ts)、エリック・ゲイル(g)、コーネル・デュプリー(g)、スティーブ・ガッド(ds)、ラルフ・マクドナルド(per)とスタッフ筋がわきを固める。とってもさわやか。(76年)

https://youtu.be/n2Hf16UyjEM

 

  • Man facing North:Yellow Jackets。Jeff Porcaroへの追悼アルバムLike a riverから。人気ありませんが、いいバンドです。演奏タイトです。やっぱりボブ・ミンツァーいたころのYellow Jacketsはいい。後半のコーラスがラテンっぽくて、清々しく夏を感じる。(92年)

https://youtu.be/S09T5KTJaLg

  • Sunrise:Chet Atkins。カントリー・ギター界の重鎮がTOTOのデビッド・ハンゲイトのプロデュースにより、さわやかフュージョンの傑作アルバムを世に出した。そのアルバムのオープニング曲。アルバム通してラリー・カールトン、ジョージ・ベンソン、アール・クルー、スティーヴ・ルカサー、マーク・ノップラー、ディーン・パークスら異業種ギタリストとの客演も楽しい。初夏の陽気を感じさせる名曲。(83年)

 

  • Katherine:Joe Farrelの軽いサックスにハービー・ハンコックの重めのエレピ、屋台骨はチャック・レイニー(Bs)とジェフ・ポーカロ(Ds)と豪華な布陣。夏の夜の華やかさを感じる佳曲。(78年)

 

  • San Juan Sunset:Deodato、Larry Carlton(g)、John Tropea(g)、Ray Gomez(g)、Pops Popwell(b)、Gordon Edwards(b)、Harvey Mason(ds)、Rick Marotta(ds)と好きなサポート達。デオダートはⅡが代表作の扱いを受けているけど、夏感はLove Island ni軍配が上がる。リゾート感しかない、そんな曲。リー・リトナーのカバーも素晴らしい。(78年)

 

  • Tahiti Hut:Deodato、EW&FのMaurice WhiteとDeodatoの共作。これまた、リゾート感しかないような曲だけどEW&Fっぽいスペーシーな浮遊感が好き。アルバムでは、前出のSan Juan Sunsetがこの曲があと。(78年)

 

  • Felicia And Bianca:Toots Thielman、昨年逝去したトゥーツおじさんの優しげなハーモニカの音色と、フュージョン界きってのブラジル・マニア、リー・リトナーのガットギターが軽やかに鳴る。夏の夕方の草原を想起させる。(92年)

 

  • Trinidad:Don Grucin、Alex Acuñaのドラム&パーカッションに、Abraham Laboriel, Sr.のベース、その上にぬけのいいドン・グル―シンのシンセピアノが乗っかってくる。トリニダード・トバゴに行ったことはないけれど、何となくこの曲が持つのどかな雰囲気なんだろうなぁ。GRPの録音で他の曲に比べ、音がいい!(92年)※YOUTUBE音源なし

 

  • Play One for Keith:Andy Narrel、アンディ・ナレルは南ア出身のスティール・ドラム奏者。スティール・ドラムの音だけでも十分夏っぽい。Windom Hillのコンピで存在を知り、一発で気に入った。スティール・ドラムといえばトリニダード・トバゴ、その南米グルーブにジャズの要素を加えた演奏がなんとも好き。(95年)

 

  • Ponta De Areia:Wayne Shorter、初めてこのミルトン・ナシメントの歌声を聞いた時、猛暑を感じた。ブラジルのそれも赤道直下の夏。ウェイン・ショーターの若干悲しげなソプラノサックスが晩夏の郷愁を誘うのだ。(74年)

・Abre Alas:Ivan LinsブラジルBPM界の重鎮イヴァン・リンス。力強い歌声、サウダージ感じるメロディ。夏の海辺の夕暮れ時ですな。こうしてみてみると、ブラジル勢が多いねぇ。(74年)

 

  • Soaring:Dan Siegel、〆はオープニングに続きダン・シーゲル。80年代感を感じて、古いんだけども二回りくらいして、逆に新鮮なシンセの音色。(82年)

 

以上、79分42秒。この夏はドライブに街歩きに、これを聴いて暑さを乗り越えようっと。

 

ユーミンのサウンドアドベンチャーの音源もありました。

 

 

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