備忘録 ジャクソン・ブラウン・コンサート@オーチャードホール 18.10.2017

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ジャクソン・ブラウンの名作Late for the sky(1974年)を二十歳の時にリアルタイムで聞いた人たちは、すでに63歳だ。客の平均年齢はそこまでは高くはないにしろ、会場となったオーチャードホールは耳順を過ぎた頃のハイ・ミドルで埋め尽くされていた。

ライブに行くとアーティストもどきをたくさん見かける。先月行ったクレージー・ケン・バンドのライブにはハンチングを被った横山剣もどきがたくさんいたし、数年前のディランのライブにも各世代のディランがいた。ジャクソン・ブラウンのライブも然りで、トレードマークの長髪横分けを真似た往年のファンが目立った。ジャクソン・ブラウンはまだ髪も黒黒とし、遠目には薄さも感じさせない。ファンのおじさん達もそのような髪形で決めてきていて、日本人版ジャクソン・ブラウンがたくさんいた。白髪や薄い髪を無理くり長髪にという人たちも多かったが、中には落ち武者風というかアルシンド風というか、筋金入りの人も見かけた。そういう人たちに限って、70年代のレアもののツアーTシャツなど身にまとっており、それらを観察するだけで楽しくなってくる。
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ライブは素晴らしかった。ブラウンの声にも覇気が感じられたし、気ごころ知れた仲間たちが鉄壁の演奏で支えていた。一発目は「素晴らしいミュージシャン、トム・ペティが大好きだった」と2週間前に亡くなったトム・ペティのThe Waitingを演奏した。道新で長く音楽コラムを書いている天辰保文さんが先週ブラウンにインタビューしたところ「人生は永遠じゃないんだと思うよ」とつぶやいていたらしい。(https://www.barks.jp/news/?id=1000147865)同世代のミュージシャンが次々と旅立つ中、自身も69歳になり思うところがあったのかもしれない。

The pretender,  Running on Empty,  Late for the sky,  Doctor my eyesと自作を演奏する中、夏に他界したグレッグ・オールマンのMelissaを、また昨年逝ったグレン・フライとの共作Take it easyを歌った。(これも、自身のバージョンではなく、イーグルス・バージョンで歌い、観客が熱狂した。前日にはずいぶん前に逝った朋友のウォーレン・ジヴォンのLawyers Guns And Moneyも演ったとのこと)

トリビュートものが多いからと言って、湿っぽくならないのがジャクソン・ブラウンのいいところ。約3時間に渡ったコンサート、会場のオーチャードホールはウェスト・コーストの乾いた風を感じさせた。
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ジャクソン・ブラウンは熱心な民主党支持者として知られ、80年代には共和党のレーガンを批判する政治的作品を世に問うた。アンコールに応え、最後に演奏したのはリトル・スティーブンスのI am a Patriot(俺は愛国者)。現政権がどうであれ、俺はアメリカが好きなんだ、とあえて主張したのはトランプへの当てつけだったのだろう。
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I am a Patriot(抜粋)

And I ain’t no communist
俺は共産主義者ではない
And I ain’t no capitalist
資本家でもない
And I ain’t no socialist
社会主義者でもない
And I ain’t no imperialist
帝国主義者でもない
And I ain’t’ no democrat
民主党支持者でもない
And I ain’t no republican
共和党支持者でもない
I only know one party
支持政党はただ一つ
And it is freedom
それは「自由」だ
I am, I am, I am
I am a patriot, and I love my country
俺は愛国主義者。アメリカを愛している
Because my country is all I know
俺はアメリカしか知らないから

セットリスト
1.The Waiting (Tom Petty and the Heartbreakers cover)
2.Some Bridges-Looking East
3.The Long Way Around-Standing in the Breach
4.For a Dancer-Late for the Sky
5.Looking East-Looking East
6.Late for the Sky(by request)-Late for the Sky
7.Here Come Those Tears Again(by request)-The Pretender
8.These Days-For Everyman
9.Melissa(The Allman Brothers Band cover) (by request)

~Intermission~

10.Something Fine-Jackson Browne
11.Sleep’s Dark and Silent Gate-The Pretender
12.The Naked Ride Home-The Naked Ride Home
13.I’m Alive(by request)-I’m Alive
14.For Everyman-For Everyman
15.Lives in the Balance-Lives in the Balance
16.Love Needs a Heart-Running on Empty
17.The Pretender-The Pretender
18.Doctor My Eyes-Jackson Browne
19.Running on Empty-Running on Empty

Encore:

20.Take It Easy(Eagles cover)
21.Our Lady of the Well-For Everyman
22.I Am a Patriot(Little Stevens cover)

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