2017年が慌ただしく過ぎ去った。家を空けることも多かった昨年、新譜はVan Morrisonの2枚Roll with the punchesとVersatileしか買わなかった。前者はブルースのカバー集的な作品でゲストにジェフ・ベックや旧友ジョージ―・フェイムの名が並ぶ好作、後者はスタンダード集的な作品で、ところどころVanの吹くサックスが良い。Vanだけは無条件で新作を手に入れることに決めているので、「これ欲しい!」と思った新譜が無かったということか。それにしても、御大も72歳にして1年に2枚の新作とは流石。2016年のストーンズのBlue&Lonesomeは気合を入れたブルース盤という感じだったが、VanのRoll with Punchesは肩の力を抜いた脱力系で対照的だ。新作発表したPaul WellerにもU2にもRay Davisにも食指が動かなかった、というか落ち着いてレビューを読む時間がなかったこともあり、購入に至らず。
一方で、再発盤・中古は50枚以上仕入れ、内容も充実していた。一部は既に紹介済みだが、その他にも素晴しいものに出会った。3点を紹介する。
先ずはBran New Boots & Panties:Tribute to Ian Dury(2001)。2000年にイアンが亡くなり直後に発売されたトリビュートもの。入手しにくく、アマゾンではプレミア価格で取引されているが、横浜の中古屋にて250円でゲット。全編良いのだが、ポール・マッカートニーがブロックヘッズと歌うI’m partial to Abracadabraが白眉。ポールのシャウトが堪らんし、ブロックヘッズのドライブが効いた演奏も素晴らしい。他にもシニード・オコナーやシェイン・マクガワンなどブリティッシュ勢のトリビュートも聴きモノ。

次はフェントン・ロビンソンのアリゲーター第1作Somebody loan me a dime(1974)。立川のディスクユニオンで500円だったか。All Music Guideで最高評価の星5つの名盤。ギターを優しく爪弾き、スムースな声でメロウに「だれか5円(Dime)を貸してくれよ」と歌うロビンソン、思わず酒が進んじゃう。本作はBoz Scaggs のパクリ騒動があったけど、やっぱ法廷闘争でロビンソンが勝ったのね。備忘録として下記の記事を貼っておきましょう。
Somebody Loan Me a Dime
June 26, 2010
In 1969 Boz Scaggs released a self-titled album featuring a performance of “Loan Me A Dime“. The only problem was the song credited as Scaggs’ was writen by blues man Fenton Robinson, resulting in legal battles. The nationwide distribution of Robinson’s own version of the song was aborted by a freak snow storm hitting Chicago “It became a big hit for Boz, but Fenton was being robbed of his moment of fame, as well as the dollars that should have gone along with it. It resulted in a big legal battle, which Fenton eventually won.”

最後はAzymuthのファーストアルバムAzimuth(1975)。何度か再発されるもすぐに売り切れプレミア価格がつくCDだったが、昨年1,080円で再発されたのでポチっと。こちらもAll Music Guideで★★★★★の名作。ホセ・ロベルト・ベルトラミの奏でるブラジル感満載のフェンダー・ローズの音が好きで、アジムスは結構集めていたが、これでラストピースが揃った感じ。NHK-FMクロス・オーバー・イレブンのオープニングの曲「Fly over the horizon」は耳なじみがある向きも多いと思うが、その原曲となった本作1曲目Linha do Horizonteがボーカル曲だったとは意外。アルバムからはポル語で朝を意味するManhaを。

因みに、こちらがFly over the horizon。色褪せませんなぁ。
ちょうど新年特番でクロスオーバーイレブンがリバイバル放送される模様。
http://www4.nhk.or.jp/crossover11/
他にもグッとくる旧盤との出会いが多い年だったが、ま、とりあえずこの辺で。
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