仕事でベトナム・ホーチミン市を訪れている。新千歳空港を出るときはマイナス12度、ホーチミン市に到着すると29度と40度の気温差。札幌仕様の洋服のままだったので、タンソンニャット国際空港に到着すると、どっと汗が。
1区にあるホテルにチェックイン後、歩いて3区にある戦争証跡博物館へ。ベトナム戦争の「ベトナム側論理に基づいた」戦争証跡を集めた博物館だ。アメリカから物言いがついているらしいが、ベトナム戦争を記録した博物館として歴史的価値が高いとされている。
概要はウィキペディアから。
(日本語)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%A8%BC%E8%B7%A1%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8
(English)
https://en.wikipedia.org/wiki/War_Remnants_Museum
前に行ったことがある広島の平和記念資料館、糸満市の沖縄県平和祈念資料館とはまた違う形で、戦争の生々しい傷跡をあぶりだす展示となっていた。展示されたアイテム、写真は戦争の愚かさ、恐ろしさ、無常感を淡々と伝えている。
屋外には米国の戦闘機、ヘリ、戦車などが展示されている。映画「地獄の黙示録」の中で見たことがあったが、実物は巨大だった。
館内の展示は撮影可能。1階は各国の戦争反対のプロパガンダ広告、米国支持のデマゴーグなどが展示されている。
日本の資料の展示も多数。
ベトナム戦争で行われていた米兵による残虐な行いに関する写真展示も多かった。
最もスペースが割かれていたのが、枯葉剤使用により戦争終結後に身体的な障がいを持って生まれてきた子供たち、赤ちゃん、介護をする親の写真だった。今なお、枯葉剤の影響は完全には除去されておらず、障がいを持って生まれてくる子供たちがいるという。これはベトナムに限らず、それらを使用した米兵の子供も同様で、いかに枯葉剤が恐ろしいものかを物語っている。
最後に従軍ジャーナリストの作品が展示されていた。日本では沢田教一、一ノ瀬泰造、石川文洋、中村梧郎の写真が展示されている。
べ戦がいかに凄惨だったか、虚しいものだったか、愚かなことだったか。展示された証跡の数々は、訪れた人々に人類の愚行に対し猛省を促し、同様の過ちを犯してはいけないというメッセージを語りかけている。
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