産経スポーツが面白いデータを掲載していた。
・浦和は札幌戦通算12試合で3敗しかしていないが(8勝1分)、このうちの2敗は直近3回の対戦で喫している。
・浦和は現在3連勝中。今節勝利となれば、2017年4月以来の4連勝となる。
・対する札幌も現在3連勝中。今節勝すれば、J1ではクラブ史上初の4連勝を達成する。
・今季、札幌は第8節終了時点ではクラブ史上最多となる14ポイントを獲得している。2012年シーズンの合計勝ち点数(14)にすでに並んでいる。
・昨季も含めて、札幌はアウェイ戦直近8試合で1敗しかしていない(4勝3分)。それ以前は同地での38試合で34敗していた(1勝3分)。
・2012年~2017年まで浦和を率いていたミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、浦和では監督としてクラブ最多の試合数を指揮し(190)、同最多の勝利数を記録した(103)。また、勝率はクラブ歴代3位の54%だった。
・浦和はセットプレーからの得点数が今季リーグ最多(5)。対する札幌は、セットプレーからの失点が今季未だにない2チームのうちの1つ(鹿島と並び)。
・都倉賢は現在、J1では自身初の3試合連続得点中。同選手が今季あげている全3得点は、いずれも69分以降に生まれている。
※ファクト内の数字はJ1での成績
4位と躍進する北海道コンサドーレが、現コンサ監督の古巣の10位・浦和レッズとアウェーで対戦する1戦ということで耳目を集ている。昨年ペットロビッチ(ミシャ)率いる浦和は札幌ドームでの対札幌戦で惨敗を喫し引責解任。その試合で槙野が都倉の顔を故意に踏みつけて一発退場食らったのは記憶に新しい。解任後まもなく、野々村社長がミシャにコンタクトし、四方田監督が残留以上の結果を出していたにもかかわらず、次期監督としての契約をシーズン中に結びファンに衝撃が走った。

今シーズンは序盤こそ足踏み状態が続き「ミシャの戦術は札幌には時期尚早」「監督のビジョンに選手がついていっていない」など不安の声も聞こえてきたが、直近の3試合を連勝で飾り、結果を示すことで外野を黙らせている。結果よりも驚きだったのは、試合の内容で「見ていてわくわくするプレーを」というノノ社長が標ぼうする攻撃的で、それゆえにエンターテイメント性の高いサッカーを実現したことだろう。低い位置から細かくパスをつなぎ、昨年から躍動するチャナティップ、今期レンタル移籍した生きのいい三好や駒井が中盤を作り、ジェイあるいは都倉がフィニッシュする。あるいは代表並みのキックの精度を誇る福森からのセットプレーで進藤や宮吉が頭で決める。昨年不安定な守備で先発を外れていた金ミンテも先発復帰し、安定感を増した堅守速攻の核として守備陣を統率しているなど、チームが見違えった。カウンター重視の四方田体制に飛び道具の飛車角が加わり、攻撃オプションが格段に増えた。
浦和も今シーズンは序盤に負けが込んだ。成績不振の引責として堀監督の更迭劇を経、大槻毅監督を迎えて奇跡の3連勝。次節から元鹿島のオリベイラが指揮を執ることが決まっている中、大槻はミシャ仕込みの攻撃的なサッカースタイルを再興し、望外の結果を出している。浦和も前線からプレスをかけ、底から細かいパスをつなぎ最後はトップに仕事をさせるミーシャ流の戦術。その結果ここ数試合は、堀監督の下では存在感が薄れていた興梠が攻撃にはまり、1試合複数得点を重ねている。浦和の中心選手、柏木、槙野、西川は広島時代から付き合いは15年以上になる、まさにミシャの申し子だ。
因縁めいた要素がてんこ盛りのカードで、調子を上げる両チームのどちらかが攻撃的なミシャサッカーをより忠実に体現し、打ち合いを制するか、見どころが多い試合となるだろう。
地力に勝る浦和に分があると見る向きが多い中、札幌がアウェイでどう戦うか。ぜひ一泡吹かせてほしい。
にしても、地上波放送ないのは残念。
コメントを残す