今月のレココレはセッションギタリストの特集。好きなギタリストの名盤が紹介されていると嬉しいもの。達郎のサンデー・ソングブックもGIBSON倒産記念(?)の4週連続ギター特集。前半のギブソン編も良かったけど後半のフェンダー特集が良かった。達郎がMG’sのSteve Cropperの影響を受けてテレキャス使っていたとは知らなんだ。
レココレ、サンソン両者から賞賛されていたのがCornell Dupree。数々の客演で名盤を生み出し、思わず「クレジット買い」してしまうテレキャスの達人。有名どころではDonny Hathaway「Live」(72年)のWhat’s going on。本家マービンのバージョンをライブで再現するのはかなり困難なので、こちらがライブ演奏のスタンダードになっている。Brook Bentonの名曲Rainy Night in Georgia(70年)のイントロのCornellの泣きのギターも印象深い。King Curtis「Live At Fillmore West」(70年)のMemphis Soul Stewの長ーいイントロでギターが入ってくる瞬間はいつ聴いてもワクワクのゾクゾク。

StuffからGaddgangの一連のアルバムでも、Gibson使いのEric Galeときっちり棲み分け、Cornell節をちりばめている。自分が一番好きなCornellの演奏はAretha Franklinのゴスペル・ライブ・アルバム「Amazing Grace」(72年)のアウトロ曲My Sweet Lord、勿論George Harrisonの名曲だ。ベースChuck Rainey、ドラムBernard Purdie、パーカッションPancho MoralesらのGroove職人をバックにテレキャスを気持ちよく朗々と歌わせている。

日本企画盤の佳作「Crystal Green」(76年)Feel like making loveのソロも気持ちがいい。スタッフのEric Gale, Steve Gadd, Gordon Edwardsらを集め、Michel BreckerのSaxと、これまた鉄壁の布陣。パンチがないのが逆に涼しげで良い。あとはやっぱりリアルタイムで聴いていた「The Gadd Gang」(86年)Everything You Doのリチャティとコーネルとの渡辺淳一の小説ばりにねっとりとした絡みが印象深い。長年連れ添った相棒同志でなければできない芸当。

忘れてはならないのが、Stanley TurrentineのCTI盤「Cherry」(72年)。素晴らしいアルバムだが、コーネル・デュプリーの客演が無ければ、山椒無しのウナギのかば焼きのようなものになってしまう。昨日のサンソンで達郎はソロの「Teasin’」(74年)からOkie Dokie Stompをかけていた。
Aretha Franklin-My Sweet Lord
ソロも「Teasin’」から11年に没する直前に出た「I’m all right」(11年)まで12作あるが、American Music Guideで最も高評価なのがストレートジャズをテレキャスで弾きまくる「Bop ‘n’ Blues」(94年)の4つ星半。3つ星半の最人気盤「Teasin’」を押さえ最高評価である。聴くと本作の演奏は切れと勢いがあり、全編演奏に緊張感があり、冴えわたっている。ブルージーなRound Midnight なんかはコーネルの独壇場だ。いつも思うがAMGのガイドはきちんとレビューしているようで、信ぴょう性が高い。

Rainbow でのCornellソロ
達郎とレココレをきっかけに久々にコーネル・デュプリーのギターを纏め聴きしてしまった。同郷のテキサンギタリスト、T Born WalkerやStevie Ray VaughnやAlbert CollinsやFreddy King同様、乾いた音色がトレードマーク、やはり良い。彼の同世代にソウルミュージック畑を彩ったDavid.T Walker、Eric Gale、Wah Wah Watsonなどファンキーギターの旗手がまだまだひかえている。楽しみは尽きない。

サントリーウィスキーのCMでGADD GANGが起用された時にはお茶の間でも顔を出していました(気づいた人はいないだろうけど・・・).
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