備忘録 床屋のはなしPt.2 

2016年5月のFBに「床屋のはなし」を書いた。先ほど床屋で愉快な心持ちになった件があり、「床屋のはなしPt.2」ということで記録しておきたい。

明日から1週間暑いところに出張ということで、伸び放題だった髪を切ろうと床屋のチェーン店に入った。今年に入って2回目の床屋で、この調子だと年間床屋予算5,000円内に収まりそうな算段だ。(※床屋のはなし参照)店員から自分の番まで4人待っていることを伝えられ、待合室のソファに座った。4人中3人は坊主頭が伸びた感じの小学生で大人は自分と帽子を目深にかぶった若い男だけ。すぐに先に待っていた小学校低学年の男の子がブースに呼ばれて、理容師に「どれくらい切るの」と聞かれた。伸びた坊主頭にどれくらいも何もなかろうがと思ったが少年は甲高い声で「坊主でお願いします」ときっぱりと答えており、笑いそうになってしまった。

しばらくかかりそうなのでキンドルで本でも読もうとIPadを出してアプリを開いた。本を読もうと視線を落とすと隣の若い男の短パンからのぞかせた太ももが目に入った。「この太ももただもんじゃねえ」と視線を上げ顔を確かめると隣の若者はコンサの宮吉だった。駒井、三好と今春補強されて、目玉2選手の陰に話題が埋もれてしまった感があるが、広島の慰留を蹴ってコンサに完全移籍した男気溢れる漢で、一時は京都の至宝と呼ばれたこともある逸材(※京都サンガユース出身)。8節柏戦で移籍後初ゴールも決めている。今は三好、駒井、深井などにレギュラーの座を一歩譲っているが、ドリブルが得意な攻撃的MFとして今後の活躍を期待したい選手だ。

「応援してます」と声をかけようかと迷ったが、ここは1,080円の3Qカット。自分は平気だが、宮吉はバツが悪いのではと察し、やめておいた。ツーブロックの髪形で、中の刈り上げ部分だけをちょちょっと済ませ、お会計の1,080円を払い「ありがとうございました」とさわやかな笑顔で足早に店を出た。3Qカットには場違いな高級外国車で北1条通りに出ると、宮の沢練習場方面に勢いよく車を走らせて行ってしまった。2017年の広島では2千万、今年コンサから1.8千万もらっているのでもう少しましな床屋に行けばいいものの、西野の3Qカットで散髪するなどますます応援したくなる。

 

 

 

前述の「床屋のはなし」はこんな感じ。

◇◇◇

散髪の予算は5,000円。1年間のはなしだ。

行きつけは温泉施設内に併設の理髪店で1回1,050円。ここだと年に4回、3カ月に一度は小ざっぱりできる算段。前回の消費税8%のうごきには同調しなかった、良心的な床屋だ。オヤジ(オババのときもある)との会話は▽オレ「3センチ、耳出し、髭はいじらず後退したおでこは隠さず、でお願いします」▽オヤジ「了解です。刈上げる?」▽オレ「刈上げはなしで」これで、20分程度頭をいじられ、夢うつつの時間が過ぎると、オヤジが「はい一丁上がり」と。散髪直後に温泉に浸かれるのも、格別だ。

3年くらい前にチェーンの1,000円床屋にも行っていたことがあるが、最後に掃除機で頭を吸われるのが気にくわないので、行かなくなった。掃除機に頭を吸われるあの瞬間は、自分の人間としての尊厳が損なわれる危機感を覚えたものだ。うたい文句も10分1,000円とか。これじゃあ、あまりに気忙しい。

一昨年、出張先の別海町で床屋に入ったことがある。仕事を終え、町の居酒屋にでも繰り出そうと宿を出たところ、街角の古びた理髪店の中に大きな淡水魚の剥製を見つけた。食指が動き、髪もそれなりに伸びていたので、えいやとその店に入った。予想を裏切らず、理髪店の70過ぎのオヤジは相当な太公望で西別川に50年かよい、何度もモンスター級のイトウを仕留めてきたという。飾ってある剥製は1メートル強の、オヤジ曰く“まあまあサイズ”のイトウとのことだった。イトウはルイベにして食うと最高に美味とか西別川の河川敷には羆がよく出てきて、追いかけられては橋の支柱によじ登って難を逃れたとか、地元釣りキチ翁の大げさな話に笑わされながら小一時間も頭をいじられていただろうか。店先では「理髪(洗髪なし)2,000円」と謳っていたが満面の笑顔で2,500円請求され、噺の代金が500円かと観念した。

その年の年間散髪支出は5,000円を若干オーバーしたと思うが、いい思い出ができたと思っている。

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