備忘録 夏が終わる前にストーンズの Hey Negrita を

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夏に聞きたくなるストーンズのBlack and Blue(1976)。ミック・テイラーが抜け、それまでのR&R王道の音を離れエスニック色を押し出したアルバム。当時のファンの反応は賛否両論別れた。72年にならず者でR&Rの頂点を極めた後、73年山羊頭のスープ、74年1It’s only Rock and Rollと煮え切らない作品が続き「古き良きストーンズを!」と期待されたタイミングだったことも災いし、音楽評論家からの受けも今一つだった。私は大好き。

Black and Blue is known for its heavy contribution from Stones recording and touring veteran Billy Preston, of which Janovitz says, “…Preston plays a very percussive Afro-Cuban-sounding piano part over the… riff.”Also prominent is Ollie Brown (another veteran of the Stones’ mid-1970s tours) who provides the song’s heavily Latin-influenced percussion.「このアルバムは録音メンバーのビリー・プレストンの影響を受けた作品。ギターリフに被さる彼のパーカッシブなアフロキューバンテイストのピアノ、ラテンそのもののオリー・ブラウンのパーカッションが効いている」とオール・ミュージック・ガイドの評論家が評している。アルバム冒頭のHot Stuffから南国の暑い夏を感じさせる。往年のストーンズファンがむせび泣くメモリー・モーテルやベスト盤に必ず入る愚か者の涙など、Ron Woodの起用による新機軸的なサウンドだけに偏らないところが本作の良いところ。

とりわけこのアルバムのHey Negritaが好きだ。この曲はミックとキースに加えインスピレーションbyロン・ウッドのクレジットがある。ウッドが考案したというこのリフはジャマイカ産のレゲエではまず出くわさないロックっぷりで気持ちがいい。そこにチャーリーとワイマンの屋台骨が醸す跳ねたリズム隊がだらだらジャムを続け、畳み込むようにミックの殺気立ったシャウトが突き刺さってくるのがカッコいい。曲後半にはビリー・プレストンの抑制気味、アフロ・キューバン的な鍵盤が加わり曲は最高潮に。これだけライブ映えしそうな曲にも拘らずライブでもやらず、数多あるベスト盤にも一度も収録されていないのはNegritaという単語がスペイン語でLittle Black Girlを意味し、蔑称扱いされることがあるからだとか。なんとももったいない。同アルバムに収められているErik Donaldsonのオーセンティックなレゲエ曲Cherry Oh Babyのカバーが収められているが、そちらも良い。大昔、高校生だった妹にこのアルバムを聴かせたことがあったが、Cherry Oh Babyが一番好きだったとのたまっていたのを思い出す。ストーンズのレゲエナンバーでは86年作のDirty Workに収められたキース作ダブ系のToo Rudeも佳曲。

 

http://ultimateclassicrock.com/reggae-rock-songs/

 

暇つぶしによく見るUltimate Classic Rockというサイトでロッカーがカバー或いは創作したレゲエ曲トップテンなる企画をやったところクラッシュ、ポール・サイモン、ポリスがトップスリーでHey Negritaも7位にランクイン。J Geils Band のGive it to me, Graham ParkerのDon’t ask me a question, Joe JacksonのHarder they comeが選外なのが残念。

 

 

既に秋の気配が漂いつつある北海道、せめて処暑の頃までは夏気分を味わいたいのだ。

 

 

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