備忘録 ハバネロ

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石狩の産直で手に入れたハバネロを何に使おうかと思案し1週間が経った。青唐辛子もそうだが冷蔵庫の野菜室で保管していると1週間くらいで中の種が黒ずんでくる。タイムリミットに迫られ、一つためしに切ることにした。ハバネロはメキシコ原産のトウガラシ属の植物の一種で、シネンセ種の品種の一つ。数年前までは世界一の辛さにギネス登録されていたが、近年ブート・ジョロキアというこれまた殺人的辛さを誇る新種に王座を明け渡している。が青唐辛子の50倍とも100倍とも言われる10万~35万スコビル(辛さの単位。ピーマンがゼロ、タバスコで1500スコビルということからハバネロの実力が窺えよう)の辛さが超攻撃的なことに変わりはない。

過去の経験から種や切り口の断面に触るとカプサイシンが手に移り、それで目なんかをこすると酷いことになることを学習済みなので、細心の注意を払って調理した。つもりであったが、ここで一句。

ハバネロを さばき用足し 阿鼻叫喚

我が息子がしばらくヒリヒリしたことは予想がついたが、タマまでひりひりしたことは予想外だった。ハバネロをなめてはいけない。

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4等分し種を取り除いたハバネロを野菜スープに入れて煮込み、スープジャーに入れて昼飯とした。ルクルーゼ鍋一杯の野菜スープに一粒入れたが問答無用で破壊力抜群、口に入れても期待通りの凄い奴だった。辛みにやられた口の中に具材として入れたサツマイモの甘味がオアシスとなり、剥いたリンゴが火消役を務めた。暴君ハバネロとはよく命名したものだ。それまで激辛スナックの頂点に君臨していたカラムーチョを蹴落とし、圧政を敷いた。食する者を苦しめるという意味ではまさに残虐無比の暴君である。辛い物は口に入れる時に一度苦しみを味わい、出すときにももう一度苦しまされる。ここでもう一句。

ハバネロの 生みの苦しみ 阿鼻叫喚

どちらにしても阿鼻叫喚なのだ。

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