もうすぐクリスマス。
一年に一度この季節に必ず聴くアルバム、それがVince GuaraldiのCharlie Brown Christmas(1965)。数多あるクリスマスのアルバムの中で歴代ターンテーブル、もといCDトレイに乗っけた回数は恐らくこれが一番多い。65年の発売から今までに400万枚売れ、未だに売れ続けているモンスターアルバムでもある。何人かの友人にプレゼントしたことがあるけれど、みな喜んでくれた。

アルバム全体を通して素晴らしいのだけれど、本作はこの曲にとどめを刺す。Vince Guaraldi Trioの演奏をバックにカリフォルニアの聖トーマス教会の少年聖歌隊が歌うChristmas time is hereだ。清らかな歌声に薄汚れたオジサンの心は打たれっぱなしだ。
日本ではスヌーピーがよく知られ、原作がPeanuts、主人公の少年の名前がチャーリー・ブラウンと云ってもあまりピンとこない。なので本作は「スヌーピーのメリークリスマス」のタイトルで売られている。

George WinstonのLinus & Lucy: The Music of Vince Guaraldi(1996)もよく聴くアルバムだ。ガラルディ作曲の一番有名な曲、Cast Your Fate to the Windの弾きっぷりも素晴らしい。You’re in love, Charlie Brownなどは本人越えの演奏を聞かせてくれている。全編ピアノソロ。

デビッド・ベノワのHere’s To You Charlie Brown – 50 Great Years!(2000)も楽しいアルバムだ。ドラムにピーター・アースキン、ベースにクリスチャン・マクブライドを従え、マイケル・ブレッカーやクリス・ボッティなど豪華な客演で綴る。ガラルディが演奏するLinus and Lucyも冒頭にカメオ的に収録されている。Christmas Time is hereはTake6が歌っており、R&B寄りのスムースジャズのアレンジが気持ち良い作品となっている。ミレニアムの空気感が感じられる好演だ。

ベノワは相当なPeanuts好きらしく、1990年にもPeanuts生誕40周年を祝うHappy Anniversary Charlie Brownというアルバムを企画しGRPレーベルから出している。B.B. Kingやジェリー・マリガンも登場。80’s臭香るPatti AustinのChristmas time is hereも聴きどころ。このころのGRPのCDは音圧が低いのが玉にきずだけど、録音が非常に良く、内容的にも聴きごたえある好企画盤だ。

サイラス・チェストナットのCharlie Brown Christmas(2000)はガラルディのオリジナルに敬意を表しながら、ガラルディには希薄なブルース・フィーリングを加味したクリスマス・アルバム。ドラムがスティーブ・ガッド、ベースがクリスチャン・マクブライド、要所要所ににマイケル・ブレッカーやゲーリー・バーツらを迎え楽しそうに演っている。Christmas time is hereはハーレムの少年聖歌隊をバックにVanessa Williamsが艶っぽく歌っており、ガラルディのオリジナルとは趣が異なるがこれはこれで良い。ついでに云うとFourplayのSnowboundに収録されているChristmas time is hereのカバーも清々しくて気持ちの良い出来だ。

ガラルディの奏でるジャズは小粋で軽やか、小難しいことは一切しない。ユーモアのセンスも兼ね備えLatin side of Vince Guaraldiのジャケットなんぞは見ていて楽しくなってくる。


今年の北海道は、というよりは日本全国、いや世界各地で色々とあったけれど、年の瀬に、心安らかにこれらのアルバムを聴ける幸せをかみしめたい。
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