備忘録 Warren Zevon-Splendid Isolation from Transverse City(1989)

昨日アメリカのCDCがSocial Distancing(出歩くな、出歩いても人と距離を置け、程度の意味か)を奨励し、トランプがその発言に同調したため、SNSでSocial Distanceの言葉がバズった。その中でロック好きが「まるでZevonのSplendid Isolationの世界だな」とコメントしていたのを見て、今回久々に1989年のVirginレコードからのTransverse City(1989)を聴いてみた。

Warren Zevonが亡くなってから早いもので17年経つ。日本で人気があるロッカーとは言い難いが、ハード・ボイルドな歌詞を歌うことからロック界のサム・ペキンパーと呼ばれ、アメリカではコアな人気を保っている。自分もZevonのアルバムWarren Zevon(1976)、Excitable Boy(1978)、Sentimental Hygiene(1987)などは車でよく聴いている。

Transverse Cityは当時のツアードラマー、Little FeatのRichie HaywardとセッションベーシストBob Glaubを屋台骨とし、旧友J.D. SoutherとDon Henleyのコーラスを基本メンバーとして、それぞれの曲でなかなか面白い客演プレーヤーが加わっている。冒頭のタイトル曲からジャズ畑のジョン・パティトゥッチの流動的でメロディックなベースにジェリー・ガルシアのトリッピーなギターリードとソロが炸裂する。2曲目のRun Straight Downで聴かせるDavid GilmourのギターソロはPink Floydそのもので、ギルモアファンにはたまらないだろう。3曲目のLong Arm of the Lawではチック・コリアのエレピ・ソロが意表を突いて登場する。ちょうどチック・コリア・エレクトリック・バンドが始動した頃で、同じテースト&音色が聴ける。

6曲目のSplendid IsolationはTom Petty&ハート・ブレーカーズのMike CambellのギターにNeil Youngのコーラスと何とも豪華。曲調はキャッチ―だが、ヘビーな内容の佳曲。タイトルのSplendid Isolationは英国の19世紀に進めた非同盟政策「栄光ある孤立」の引用かと思われ。

7曲目Networkingではこれまたハート・ブレーカーズのBelmont Tenchの渋いオルガンが存分に聴ける。8曲目のGridlockではニールヤングのヘビーなシグナチュア・ギター・サウンドを聴かせてくれ、ソロをジェファーソン・エアプレーンのギターJorma Koukonenがアコギでとっている。9曲目のDown in the MallではDavid Lindleyの伸びのあるラップ・スチール・ギターのソロを堪能することができ、最後の曲Nobody’s in Love This Yearでは「世界は完全にクソ」と歌うZevonをマーク・イシャムの美しいミュート・トランペットのソロが諫めているように聴こえる。

80年代のDX-7的な安っぽいシンセの音が気にならないといえばウソになるが、骨太の演奏と楽曲の良さ、それに社会批判を貫く姿勢を示す歌詞、何にもましてZevonの野太い歌声は聴きごたえがある。

今朝、サンダースの応援でNeil YoungがHeart of Goldを嫁のダリル・ハンナと歌っていた。カナダ人のヤングは今年から米国市民になり、サンダースの応援を公言したばかり。サンダースは骨太のロッカーからの応援を沢山取り付けている。「Sonic Youth’s Kim Gordon, Neutral Milk Hotel’s Jeff Mangum, Ariana Grande, Bela Fleck, Bon Iver, Brandi Carlile, Cardi B, Dua Lipa, Jack White, Jason Mraz, Killer Mike, Miley Cyrus, The Strokes and Vampire Weekend, among many others.」とBillboadの記事にはある。Zevonが存命であれば、このリストに名を連ねていただろう。

サンダースには是非後半戦盛り返し、バイデン候補をぶっ飛ばして民主党候補としてトランプと戦ってほしいものだ。

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