備忘録 稚内・礼文・利尻 9/11-14 #Sigma DP2, Moss スタードームⅡ

礼文島から見る利尻山

稚内―礼文―利尻と1泊ずつテント泊をした。改めて北海道の魅力に触れる旅となった。礼文ではスクーターを借りて潮風(というには余りにも強い!)を感じてツーリング気分を。利尻ではレンタ―カーで島を2周した。天候にも恵まれ、絶景を満喫した。

長年愛用しているMOSSスタードームⅡ(4Kg!!)と今回新調したヘリノックスの椅子2脚、モンベルのミニタープにシュラフ、マット、調理器具など道具一式を入れるとザックは18キロ。カミさんのザックが8キロ。

旅の醍醐味は食、景色、自然体験などたくさんある。最近は旅先で機会があれば立ち寄る温泉で、聞くとはなしに耳に入ってくる地元民同士の会話が楽しい。今回も稚内、利尻、礼文とそれぞれ温泉に浸かり、「ゴーツーで内地からわんさかくっから、ホテル代いきなり上がったぞ。コロナも出るかもな@稚内温泉童夢(注:ゴーツー=GoToキャンペーン)」、「また今年も仕事見づからねば、冬に本土の山入って木やんねばなんねーな。それはやだぞ。(注:本土の山入って木をやる=北海道の営林署で林業手伝いをする)@礼文温泉うすゆきの湯」、「やませ通り過ぎれば、銀の入ってくるべ(翻訳:冷たい北東風がなくなれば、鮭が港に入ってきて、釣りができるだろう)@利尻富士温泉」などの会話を耳にした。なんとなく、土地の暮らしを垣間見る文学的な体験をした気になる。

キャンプ場は稚内公園キャンプ場=タダ、礼文久種湖畔キャンプ場=540円×2人、利尻島ファミリーキャンプ場ゆーに=600円×2人、と格安。全て空いていたので快適だったが、風が強かった。稚内のキャンプ場はエゾシカに占領されている感じで、養鹿場にテントを張っている感じであった。可愛かったが。

食に関してはからきしだった。2島とも夏季のウニの一本足打法で、漁期外にキャンパーが前浜でと採れた食材を調達することは困難。漁協直営店も冷凍ものしかなく、食指が動かない。地元(利尻)の釣り師の話を聞くと、鮭、ブリ、ホッケがバンバンあがってるとのことなので、魚がいないわけではないわけで。唯一楽しみにしていた外食、ラーメン味楽も臨時休業と運に見放された気分だった。両島にセイコーマートがあったので食材を購入し、テン場でのいわゆるコッヘル飯(鯖アヒージョパスタ=礼文、マイタケ・ベーコンリゾット=利尻)と相成った。それはそれで素晴らしく旨いのだが、地元食材を食いたいのが人情ってものだ。

景色に関しては満点だった。道内色々と回ったが、礼文の江戸屋山道から眺める日本海、帰路、抜海からサロベツ原野を貫く一本道、106線を南下するときに車窓からから夕陽に浮かぶ利尻山は世界遺産級の絶景だった。

今回はキャンプ道具一式をザックに背負うこととなったので、カメラは軽いDP2と予備機としてRX100を携行。2個あったDP2の電池のうち1つが放電していたので、Foveon画像は稚内と礼文のみとなってしまった。DP2の頃のFoveonセンサーは味わい深い画の割には画素数が1000万程度と軽い。重くて素晴らしい画像が幅を利かす昨今、軽くてそこそこ素晴らしいい画を提供するこのカメラは、発売10年後の今日でも存在価値を失っていない。以下の稚内、礼文(アザラシ除く)はSigma DP2、利尻、サロベツ原野はRX100で撮ったもの。DP2は画角41mmなので、風景を切り取った感じになり普段使っているDP0Mの迫力には及ばないものの、善戦してくれたと思う。以下、旅のスナップショットを。

稚内編

稚内・宗谷丘陵をめぐるフットパスの一部に稚内名産のホタテの貝殻が敷き詰められた「白い道」この写真から利尻編まではSigma DP2使用。
氷河時代に形成された周氷河地形の宗谷丘陵は北海道遺産に登録されている。
テン場がある稚内公園からの風景。晴れるとサハリンが見える。
樺太への望郷と慰霊の念が込められた女人像「氷雪の門」
鹿の楽園と化している稚内公園
テン場(笑)
シャッター通りと化した稚内中央商店街。稚内市はサハリンに事務所を持ち、極東地域との経済交流が盛んだ。
礼文島香深行きのフェリーから臨む稚内市。稚内市開基百年記念塔・北方記念館が見える。

礼文編

至宝利尻山は稚内側、礼文側、利尻の中から様々な表情を見せてくれる。約4万年前頃に現在の形に近い物となったらしいが、島全体が山で生活圏は山すその平地に集中している。
礼文ではスクーターを借りた。カミさんと自分のザックを合わせると約30㌔。アクセルを開けすぎると危うく前輪が浮きそうになった。カミさんはスクーター初体験だったが、すぐに慣れた。時速30㌔でとぼとぼ走るのは楽しい。
礼文島は縄文土器のような形の右側(東側)に集落が集中しており、西側は道路がない。フェリーターミナルの香深から久種湖畔キャンプ場まで約25㌔。写真のような道が続く。滞在中は北東から、地元では「やませ」と呼んでいた強風が吹きすさび、煽られながらよちよちと走った。
キャンプ場は久種湖畔にある。一番乗りだったが、午後から八王子ナンバーの50CCのカブ、外国人チャリダーカップルがテントを張った。風が無ければ100点満点のコンディション。
昼飯は船泊地区で唯一開いていた双葉食堂さんで。入ってくる人達みんな知り合い状態で、強烈なアウェイ感を味わったが、ラーメンが美味しかった。
漁協のお兄さんから「砂浜にアザラシがいるかもしれないよ」と聞き、道路わきから浜に続く道から海を覗いてみるとなんかいるぞ・・・

おおお!ゴマ(ゴマフアザラシ)ちゃんたちが寝ている。

江戸屋山道は道幅が狭く車両のすれ違いが困難なため、車両通行の際は江戸屋からスコトン岬の一方通行。利尻礼文で最も素晴らしい風景を楽しむことができる道。春はレブンアツモリソウが群生する場所もある。
利尻の海岸は溶岩石なのに対し、礼文の海岸は自然石や砂浜で趣が違う。商業施設は利尻の方が多いが、何故だか礼文の佇まいに強く魅かれた。
カミさんも風にあおられながらも頑張ってついてきた。方向転換するときに立ちごけしてしまったが。
スコトン岬はアイヌ語で大きな谷にある入江を意味するそうだ。須古頓の漢字をあてているが、カタカナがしっくりくる。町の案内には晴れた日には樺太が望めるとあったが、晴れていたけれど遠くがかすんでサハリンを臨むことはできなかった。
スコトン岬トド岩に続く岩礁帯。タイミングが良ければアザラシやトドが岩で休んでいるところを見ることができるらしい。
スコトン岬の逆端には映画「北のカナリアたち」のロケ地のセットを北のカナリアパークとして残している。
映画で吉永小百合が教師として勤める麗端小学校岬分校はセットで、もともとここに小学校があったわけではない。子供たちが、特に風が強い冬季間徒歩で通うには余りにも厳しい環境に立地している。

利尻編 

礼文香深港から利尻鴛泊港までは45分。近づくにつれ利尻山が迫ってくる。この写真以下、SONY RX-100使用
ペシ岬には展望台、会津藩士の墓、鴛泊灯台などがある。ロシアからの襲撃に備え北方警備の名目で、会津藩は幕府の命により1808年に約1600名の藩士を蝦夷地に送り込む。利尻島には252名の藩士が駐屯したと言われてる。
鴛泊港からキャンプ場までは1.8Km。利尻ファミリーキャンプ場ゆーには利尻山登山鴛泊コースに続く道沿いにあり、徒歩で向かう途中には利尻山神社がある。
スキー場の夏季利用としてキャンプ場が整備されており、てっぺんに利尻山山頂が顔をのぞかせている。
テン場は段差があり、風よけになってくれたおかげでよく眠れた。ソロキャンパーが約10張りくらい。道外からの旅行者がほとんどという印象。
朝一でレンタカーを借りた。5時間で7,800円ガソリン込みはお得感あり。レラモシリというペンション経営者がレンタカーも扱っていて、釣り好きの彼の話が面白かった。今年はカヤックフィッシングで10㌔サイズのブリ60本、34㌔のマグロを釣ったと豪語していた。今朝も港でのフカセ釣りでメス鮭一本あげてきたとか。釣った魚をペンションで供している。写真は、南側から鴛泊港を臨む。
姫沼と利尻山。利尻の景勝地はほぼすべて利尻山を様々な角度から眺めることができる場所。姫沼は木道が整備されており、固有種の植物を鑑賞しながら、沼を20分位で一周できる。
沼にいたメスのオシドリ。オスはファンキーないでたちだが、メスは地味目。
利尻最大のオタトマリ沼。このすぐ近くに白い恋人のパッケージデザインの風景を眺めることができる「白い恋人の丘」がある。夏場は木と雑草が邪魔をして山をきれいに写真に収めることができなかった。
仙法志岬公園から臨む利尻山。利尻の海岸はほとんど溶岩で、荒々しい風景を作り出している。島そのものが地殻変動に伴う溶岩の噴出により形成された、溶岩のかたまりなのだ。
こちらも仙法志エリアにある寝グマの岩。荒波の中、すやすや寝ている。
時雨音羽の歌碑。誰でも知っている文部省唱歌「スキー」の作詞をした利尻の作詞家。島内には3つスキー場があるほか、最近では欧米のスキーヤーが利尻山のバックカントリースキーに訪れているとのこと。夏は国内観光客でいっぱいだが、冬は日本人観光客の穴を埋めてくれる欧米人アドベンチャースキーヤーに期待していたところ、このコロナ禍で今シーズンは厳しいと(レラモシリのオーナー談)
北のカナリアたちのロケ現場ポロフンベ集落。訪問時左手の木造家屋には漁師が住んでいる様子で、昆布干しの準備をしていた。

ポロフンベ集落から臨む利尻山。結局、5時間で景勝地を巡りながら島を2周した。いつかは登るぞ利尻山!

帰路、サロベツ原野

鴛泊港から稚内港まで約2時間半。4時半に到着後、一路札幌へ。サロベツ原野を抜ける106号線はこれぞ北海道という風景を楽しめる。右手に利尻山、左手にサロベツ原野。夕暮れ時にこの道路を走ることができたのは、ご褒美的な経験だった。留萌―深川道経由で高速に入り、4時間半で札幌に到着。
またイクゾー、利尻山待ってろよー!

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