備忘録 2020.11.3 北海道コンサドーレ札幌―川崎フロンターレ 新聞各紙評

めでたい。いや~、めでたい。

いつか川崎に勝つ日が来ると信じていたが、最強の誉れが高い2020年シーズンの川崎に2-0の完封勝利を収めるとは。試合の前半は、岩内の温泉宿のテレビで、後半は車を運転しながらアイフォンでDAZNを見た(というか実況を聞いた)。素晴らしい。素晴らしすぎる。嬉しすぎる。

対川崎戦はJリーグ開始以来未勝利。2018年9月15日の等々力陸上競技場ではコンサ史上最多7失点で川崎に完封負け、昨季のYBCルヴァン・カップ決勝で川崎に初タイトルを阻まれ、前節は1-6の大敗を喫している。要するに悔しい思ひ出しかないのだ。今季の川崎の勝率は95%という信じがたい数字が出ており、唯一土を付けたのが名古屋だけだという、異常事態が続いていた。

スカウティングの勝利ではあるのだが、ゼロトップ、全選手マンツーマン、スリーバック、ハイプレスの採用が奏功し川崎のパスサッカーを機能させなかった、というのが各紙勝因分析結果。ただ、その戦術で下位チームとの試合を落としたこともあり、それだけが金星の理由ではないだろう。昨日の試合で目を引いたのは、右の出番が多いルーカス・フェルナンデスを左、左利きの金子を右に置いた戦術。川崎はこの布陣を予想していただろうか。車屋はルーカスを、山根は菅の離脱で、左は白井あたりを想定していたのではなかろうか。前例のない布陣で不意を突いたことも川崎を揺さぶることができた大きな要因かと推察する。但し、試合は戦術だけでは勝つことができない。戦術を体現する選手が必要で、昨日のコンサの選手はその仕事をきっちりとこなした。特に、荒野、金子、駒井の献身的なプレスと菅のセービングは特筆に値する。

試合後のインタビューでミシャはルーカスを左に置いた意図を聞かれ、「かつてバルセロナはストイチコフを右に、ラウドルップを左に置いたことがある。それが私の答えだ」と返している。それは1988年から96年までクライフ率いたバルサで、ミカエル・ラウドルップとストイチコフを両翼に置き、特に、左利きのストイチコフを右サイドに起用していたことへの言及だと思われる。ストイチコフの仕事は内に切り込んでシュートを狙うというもので、ルーカスに求められている内容に似ている。

ミシャはトータルフットボール信奉者であるが、必然的にトータル・フットボールの創始者リヌス・ミケルスの「なぜ形にこだわるのだ。トータルフットボールをするのに3トップでなくてはならないと言った覚えはない。 3トップを採用したのは当時のサッカーにはそれが適していると判断したからだ」の発言を回顧せずにはいられない。「形にこだわらない」、それがミシャの真骨頂であり最終的な戦術である。

会社で道新、日経、毎日、朝日の新聞4紙に目を通すのが日課となっている。地元紙の熱量が高いのは当然だが、短い記事だが日経が洞察力が深い。川崎戦初勝利記念ということで、各紙並べておく。

道新1
道新2
日経
毎日
朝日

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