備忘録 2021年の猟盤

 毎年恒例、買ったCDの話でも。

 入手する音源の多くは出張時に東京のディスクユニオンで仕入れる中古盤なのだが、コロナ禍、今年も東京出張ゼロのためほとんどCDを買っていない。そんな中でも、Van Morrisonと高校時代の級友新井田孝則がプロデュースしたNORIKOさんの新譜は購入した。VanのLatest Record Project Vol.1はコロナ禍でアーティストの表現活動が制限されていることに対しての不満をぶちまけている歌が多いが、基本の音作りは前作踏襲。新進性に欠けるも良い。NORIKOさんのAir Eraは少し懐かしい匂いのする曲が並び、本人の人柄がよく出ていると思われる、優しい音楽に仕上がっている。

 中古盤も数えるほどしか買わなかったが、たまたま立ち寄ったBookOffで見つけたSeawindのLight the light(1979)は評判通り良かった。トミー・リピューマ・プロデュースということで外さないのは判っていたのだが、切れ切れのシーウィンド・ホーンセクションが硬派な雰囲気を醸し、軟弱AORとは一線を画する出来になっている。80年代日本のカギカッコつきのシティ・ポップ職人たちも、この辺の音作りを相当意識していると思われ、随所に後のシティ・ポップヒット曲に引用される音色やフレーズがちりばめられている。個人的にはCTI時代のクロスオーバー寄りのシーウィンドが好きなのだけれど、本作の次に出されたGeorge DukeプロデュースのSeawind(1980)よりは随分と好みに近い。

 その他、Randy CrawfordのEverything must change(1976)=James Gadson+Joe Sample+Larry CarltonとMelissa ManchesterのDon’t cry outloud(1978)=James Gadson+David T Walker+Chuck Rainy+Richard Teeを聴き比べて唸ってみたり、中川祥子のMagic Time(2009)を買って、物故した筒美京平の手による平成の名曲「綺麗アラモード」だけヘビーローテーションしてみたりと、なんだかんだ女性ボーカル物をよく聴いた年になってしまった。

 ライノのSoul Shotsシリーズ、Vol.5もたままめっけて、念願のTommy TuckerのHigh heel sneakrs (1964)のCD音源が一番うれしかったか。ストーンズのカバーで知った曲だが、オリジナルが格段に良い。

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 たまに覗くビルボードチャート。別稿でジョニ・ミッチェルのリバーを取り上げたが、チャートは70年代、80年代から聞き継がれているクリスマスソングで占められている。

Billboard’s Top Rock Streaming Songs for the Week of Dec. 11, 2021
01. Chuck Berry – “Run Rudolph Run”
2. Paul McCartney – “Wonderful Christmastime”
3. Eagles – “Please Come Home for Christmas”
4. Elvis Presley – “Blue Christmas”
5. John Lennon and Yoko Ono – “Happy XMas (War is Over)”
6. Fleetwood Mac – “Dreams”
7. Journey – “Don’t Stop Believin'”
8. Eagles – “Hotel California”
9. Nirvana – “Smells Like Teen Spirit”
10. Bruce Springsteen – “Santa Claus is Comin’ To Town”
11. Trans Siberian Orchestra – “Christmas Eve (Sarajevo 12/24)”
12. Elvis Presley – “Here Comes Santa Claus (Right Down Santa Claus Lane)”

 ホリデーソングは、1年のうち6〜8週間しかチャートインしないけれど、毎年ヒットすることで、作曲者には数百万ドルの印税が支払われることになる。マッカートニーの「Wonderful Christmastime」は1979年にリリースされ、。ある調査ではこの曲はこれまでに19カ国でチャート入りし約4,000万ドル(約50億円!!)のを売り上げ、マッカートニーは年間40万ドルから60万ドルの印税を手にしているという。景気のいい話ではありませんか!

 さて、毎年増え続けるホリデーアルバムのコレクション。今年も複数枚購入したが、Kenny Drewトリオの日本企画盤Christmas Songs(1989)が印象的だった。80年代後半のケニードリュートリオは日本で大人気で、アルファレコードからいくつもの企画盤(リクエストシリーズとかですね)が出ているが、好みは分かれるものの、中には好盤も存在する。アルバムジャケットがそっけなさすぎるのが玉に瑕だが、演奏は素晴らしい。

 特にNiels-Henning Orsted Pedersenのベースが好きな人たちには支持されていて、ハードバップ期の黒さが鳴りを潜め意図的に没個性を演じるケニー・ドリューのピアノの後ろでぐにゃりぐにゃりと弾きまくるペデルセンのベースは確かにこのトリオの一番の聴き所なのかもしれない。

 とりとめのない話になってしまいましたが、コロナ第6波や変異種が勢いを増す前に新年を迎えたいものです。

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