備忘録 スザンナ SUZANNA リビングチェア

この間、近所のリユースショップで売られていた椅子を衝動買いしてしまった。見た瞬間美しいデザインに目を奪われ、試しに座った瞬間気に入ってしまった。

購入した時はその椅子が旭川の家具メーカーCONDEHOUSEのものということ以外知らなかったのだが、色々と調べていくと、フムフムという具合に、何故その椅子のデザインに魅かれたか納得できる出自があるということがわかってきた。

椅子の名前はスザンナ。デザイナーは中村昇という恵庭出身の一時期スウェーデンのIKEA本社でプロダクトデザイナーとして活躍してきた北海道人である。

中村氏は2011年に札幌市から札幌芸術賞を受賞しており、略歴の記載があったので、転載する。

昭和31(1956)年 札幌工業高等学校卒
昭和44(1969)年 渡欧、スウェーデン・カールマルムステン木工技術学校で1年間学ぶ
昭和45(1970)年 王立美術工芸大学である、コンストファックスコーラのスペシャルスチューデントとして2年間で家具とインテリアを学ぶ
昭和48(1973)年 Gip&Qvist設計事務所勤務後、イケア社開発部デザイン課入社
昭和53(1978)年 イケア社を退社し帰国
札幌で「ファニチャーデザインナッカ」設立
平成23(2011)年 ギャラリー創にて人と仕事展
現在 家具デザイナー
JID(日本インテリアデザイナー協会)会員

IKEAのベストセラーPoäng(1978年作)は中村氏の手によるもので、累計3千万脚(!!)販売され、今でも年間150万脚生産されているとのこと。アメリカ版のWikiに寄ればPoängはフィンランドのプロダクトデザイナーAlvar Aaltoの名作Armchair 406(1939年作)に似ていると指摘しているが、その頃の一般的なスカンジナビア風のベーシックなデザインを下敷きにしている以外、素材や質感は違う。(似てるっちゃ似てるか・・・)(当然値段も。Armchair 406一脚でPoängが10脚買える)自分も所有こそしていないけれど、Poängに座ったこともあればデザインに見覚えもある。

Poäng

で、何故私はこの椅子に魅かれたのか?

→中村氏は札工出身で、北海道の風土に根差したデザインセンスを有する

→Poängの作家≒私の好きなアールトのデザインに通じている

→北海道の家具メーカーの「スザンナ SUZANNA リビングチェア」をデザイン=北海道+北欧のデザイン→道産のナラ材を使用している

→「俺、これ、好き♡」という推理が成立するのである。

どうでもよいことなのだが、何故目の前に出現したプロダクトデザインに自分が魅かれるかという点で、必然性があったということで、備忘録として記録してみた。

随分前にCONDEHOUSEのオットマンだけ購入していたのだが、これでそのオットマンも主を見つけ(生地と色は違うが)、本来の足置きとしての本来の活躍ができる。窓際で椅子に座ると、レナード・コーエンのスザンヌでも聴きながら、足を投げ出して、ウィスキーでも舐めたい気分にさせてくれるのである。

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