備忘録 漁盤記録 vol.2 Robert Palmer-Sneakin’ Sally Through the Alley(1974年)

2023年は結構な枚数のアナログを買ってしまっています。CDはほとんど購入することが無く、既にCDで所有している音源のアナログ盤を買い直すようなことばかりをやっていました。お気に入りの音源をアナログで所有したいという、ある意味無駄で贅沢な消費行動なのだけれど、中古レコード店で長年聴きこんだCDのアナログ盤に廉価な値札が付いていると、ついつい手が伸びてしまい困ります。LPはジャケットがでかいのがいいし、クレジットも見やすい。玉石混交だけれど、たまにとんでもなく音が良いアナログにも出くわすから、やめられなくなってしまう。中学生の時に琴似のレンタルレコードで借りて、カセットテープに録音し、成人してからCDを購入した音源が、40年後の今になってアナログで戻ってくるというようなものもあり、なんだか感慨深いのです。

去年から今年にかけて購入したLPの中に、何枚か大当たりのレコードがあったので、記録しておきます。先ずはRobert PalmerのSneakin’ Sally Through the Alley(1974年)です。

Allen Tousaint関連の音源を掘り下げていくと、必ず出てくるパーマーのデビュー作。バックをミーターズとNew York Rhythm Section(リチャティー、B.パーディー、G.エドワーズ、C.デュプリー)の面々が担当していて、曲によって本格的なニューオリンズ・セカンドラインを炸裂させ、別な曲では当時随一のレイドバック感(黒い!)を醸すNew York Rhythm Sectionの演奏も楽しむことができます。パーマーが長年のファンであるZigabooのドラムやB.パーディーに感激しながら歌う歌唱も演奏に負けじと素晴らしく、英国Blue Eyed Soul歌手御三家の一角を担う(1番手はFrankie Miller, 3番手はJess Roden)面目を保っています。A面のあたま3曲のSaiin’ Shoes、Hey Julia、そしてタイトル曲が曲間なしのメドレーとなっており、ホワイト・ファンクの最も陽気で濃密な10分間を体験できます。A面に比べ熱量の低いB面ですが、A面が奇跡的に素晴らしいだけで、 TousaintのFrom Whisper to Screamを含むB面もとても良いのです。

サリーさんを連れ出している演出でしょうか

タイトル曲Sneaking Sally Through the AlleyはTouisantがLee Dorseyに書いた曲で、オリジナルもMetersがバックを務めています。奥さんに浮気現場を見られた男が、逢瀬の相手のサリーさんを裏路地に逃がして難を逃れる、といった内容で、Dr.Johnの実体験を歌詞にしたものとのこと。

CDの音も悪くないのだけれど、本盤に関してはレコードの勝ち。アナログ盤は冒頭のLowell Georgeのギターが立体的に聴こえ、G.ポーターjr.のベースもズンズンと太く響く。一方、CDは音に透明感があり、繊細だけれど、迫力不足。この手の音楽は迫力がある方がスカッと聴けますね。あとは、このジャケットのデザインが好きで、大きいとよりかっこよく見えるのもレコードの良いところ。良い買い物させてもらいました。

CDだとジャケットの素晴らしさが伝わりませんね。

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