備忘録 漁盤記録Vol.3 Tom Petty and the Heartbreakers-Hard Promises(1981)

昨日中古レコード店で物色中にTom PettyのHard Promisesを見つけました。Pettyのアルバムの中では一番好きな作品なので、割かし高かったけど(とはいっても2,000円でお釣りが来ました)購入。家に帰ってレコードを取り出すとBackstreetレーベルのUS初期盤ということが判明。もしや、と思いDeadwax(マト番が刻印されているところ)を確認すると、ありましたよWe love you J.L.の手書き刻印が。以下はアメリカ人のPettyファンのブログ内容の抜粋を意訳したものです。

“トム・ペティのアルバム『ハード・プロミス』がリリースされたのは1981年5月5日、ジョン・レノンがニューヨークのダコタ・アパートメント前で撃たれてから約5ヵ月後のことだった。

この2人に共通点はあるのだろうか?実はあまりない。しかし、この2つを結びつける興味深い歴史がある。

トムとハートブレイカーズはLAのスタジオでニューアルバム(本作)の制作に励んでいた。そのスタジオにはたくさんの部屋があり、そこで多くのアーティストが自分の仕事をしていた。リンゴ・スターもその一人で、ジョン・レノンが製作中のニューアルバムで歌うことになっていた。トムたちはそれを知って、レノンに会えるという期待に胸を躍らせた。

もちろん、それは実現しなかった。ジョンが射殺されたという連絡が入ったんだ。

私の知る限り、ジョン・レノンはトム・ペティとコラボレートしなかった唯一のビートルズだ。悲しいことに、それはいつまでも変わらないが、トムはアルバム『Hard Promises』に、彼へのメモを直接ビニールに刻んでいる: We love you J.L.(US盤とカナダ盤数百枚限定)”

大事に扱われていたとみて、盤面には傷一つなくマトも若い、非常に良い状態のレコードでした。1曲目のWaitingのイントロをスマホの呼出音にしているほど同曲が好きで、Waitingのイントロをきいただけで、アナログの方がCDよりもバンド演奏がよりリアルに聴こえることがわかります。それもそのはず、Sound Cityスタジオのレコーディング、Jimmy Ivoneがプロデュースとエンジニアリングに関わっています。同じくSound City スタジオ録音の大ヒット作Damn ToropedosはMCA盤を持っていますが、こうなってくると、Backstreet盤を探したくなってきてしまいます。これがいわゆるレコードのアリジゴク的な罠なのですが。

本作ではFleetwood MacのStevie NicksがInsiderという佳曲でPettyとデュエットしています。録音が同じ年の彼女のBella Donnaという初ソロアルバムにもPettyが登場し、Stop dragging my heart aroundという曲でデュエットしています。この曲はビルボード3位の大ヒットとなりましたが、Insiderはシングルカットされていません。Insiderの方がいい曲なのに、と聞くたびに思ってしまいます。後にNicksは「ハートブレイカーズの一員になれるなら、Fleetwood Macを辞めてもい」などと云っていたようですが、たまのステージでデュエットするくらいが良いのかもしれません。

実際にライブ盤Pack up plantationではInsiderとNeedles and Pinsの2曲をペティと共演していて、アルバムにアクセントを加えてくれています。HeartbreakersやE street bandやSTAXからドナルド・ダック・ダンを迎えて作られたBella Donnaは非常に良いアルバムで、機会があれば別途触れたいと思います。ハスキーな歌声が魅力のNicksと高い声のPettyのデュエットは、木の実ナナ&五木ひろしやヒロシ&キーボーにも負けない魅力の掛け合いを見せてくれ、両アルバムの聴きどころの一つとなっていると思います。

初期盤はインナースリーブも光沢加工。気合入ってます。

素晴らしいアルバムです。

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