数多あるライブアルバムの中でも傑作の誉れ高い本作。Rolling Stone誌の50 Greatest Live Albums of All Timeでは49位。もともとはロスのバンドですが、南部の香りがプンプン漂う、と思えばJAZZに寄ったり、AOR的なアプローチもあったりで一筋縄ではいかないところが面白いグループ。一発撮りのライブ録音と違って、ボーカルとスライドギターをオーバーダビングしているので、演奏の完成度が非常に高いというところも魅力です。TOPの分厚いホーンも気持ちよく聴けるうえ、選曲もベスト盤的な内容になっているので、バンドの代表作として挙げるファンも多い、そんなレコードです。Spanish Moonのホーン・サポートは鳥肌もののすばらしさです。


昨日、飲み会の前に寄ったレコード屋さんで、かなり年季の入ったジャケの本盤を見つけて購入。盤も相当汚れており、帰宅後ナガオカのクリーニングクロスで水拭き洗浄。ところどころスクラッチも入っていましたが、1枚目は音飛びなし。2枚目もかろうじて音飛びはしませんでしたが、針がスクラッチを通るときにぱちぱちとノイズが入ります。この種の音楽には、スクラッチノイズもスパイスみたいなものかなと、良い方に解釈することとします。まあ、ミント盤を買うと一葉、もとい梅子が飛んできますので、購入価格を考えると盤の状態に不満はありません。

特筆すべきは音質。安かったので「どうせ日本版のセカンドプレスくらいだろう」と手に取りましたが、帰宅後によく見るとUS盤。図太いベース、クリアなボーカル、ふくよかなスライドの音。CDも所有していますが、レコードの音が断然よい感じです。もしや、とDISCOSでマトリックス情報を確認してみました。
Label:
Warner Bros. Records – 2BS 3140
Format:
2 x Vinyl, LP, Album, Los Angeles Pressing
Country:
US
Released:
1978
Pressing Plant ID (Stamped): ✲
Matrix / Runout (A Side etched, “TML-S ✲” stamped Variant 1): 2-WB-1-3140 LW-3.. TML-S ✲
Matrix / Runout (B Side etched, “TML-M ✲” stamped Variant 1): 2-3140 Record 1 LW-1 TML-M ✲
Matrix / Runout (C Side etched, “TML-S ✲” stamped Variant 1): 2-B-S-3-3140 Record 2 LW-2 TML-S ✲
Matrix / Runout (D Side etched, “TML-M ✲” stamped Variant 1): 2-BS-4-3140 Record 2 LW-1 TML-M ✲


ドンピシャですね。プレス工程から一番近い音のLPです。どおりで良い音を鳴らすわけですね。私は値の張るファーストプレス盤にこだわる収集家ではありませんので、ラッキー!位の気持ちですが、このレコードのファーストプレスをバケットリストに入れている人は結構いるのではないでしょうか。桁が一つ少ない金額でゲットしてしまい、なんだか、申し訳ない気持ちになります。


本作発表翌年の1979年にローウェル・ジョージが亡くなりますが、ほかのメンバーでバンドは続きます。96年にLive from Neon Parkなるライブ2作目をリリースしますが、あまり売れなかったものの内容は素晴らしいものでした。娘のイナラがSailin’Shoesでボーカルを取ったり、フレッド・タケットの息子がDixie Chickenでギターを弾いたりと楽しい内容になっています。

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