備忘録 猟盤の記録:1975年特集 vol.5-Emmylou Harris-Elite Hotel

一時期Flying Burrito BrothersやGram Parsonsをよく聴いていて、Parsonsの名作Grievous Angel(1974)でLove HurtsをデュエットするEmmylou Harrisが気になっていたころに出会ったアルバムです。

もとはC/W系が主戦場のアーティストですが、Dylanの欲望(1978)やThe BandのLast Waltz(1978)にもクレジットがあり、ロック畑でも古くから知られた存在かと思います。The Chieftainsの名盤Another Country(1992)に顔を出したり、Micthell Froomプロデュースの若干オルタナ系に振れた自身のアルバムWrecking Ball(1995)なんかはよく聴いたアルバムでした。

本作は彼女にとって初のナンバーワンとなったアルバムで、シングル曲Together Again,Sweet Dreamsもカントリーチャートで1位獲得。当然のように1975年の女性カントリーボーカル部門でグラミーを受賞しています。バックバンドも強力で、ギターだけでもJams Burton, Amos Garret, Rodney Crowell, Bernie Leadonが顔をそろえています。鍵盤にはBill Pain、ストリングスアレンジになんとNick DeCaroのクレジットもあります。BeatlesのHere There and Everywhereのカバーなんかも収録されているので、カントリーになじみのないリスナーでもとっつきやすい内容でもあります。それに、ジャケットも秀逸だと思っています。90年代にナッシュビルに行ったことがありますが、ラインダンスを踊るバーではこんな格好をした老若男女がたくさんいたのを思い出します。テネシー州など南部のハイウェイで車を走らせ、ガソリンスタンドに併設されているコーヒーショップなんかに行くと、かなりの確率でカントリーがかかっていて、このアルバムもおそらくはそういう場所で遠距離運転で疲れたドライバーの心を潤わせたのだろうなぁ、と勝手に想像してしまいます。

A1 Amarillo 3:05
A2 Together Again 3:56
A3 Feeling’ Single – Seein’ Double 2:34
A4 Sin City 3:57
A5 One Of These Days 3:03
A6 Till I Gain Control Again 5:40
B1 Here, There And Everywhere 3:59
B2 Ooh Las Vegas 3:47
B3 Sweet Dreams 4:03
B4 Jambalaya 3:05
B5 Satan’s Jewel Crown 3:13
B6 Wheels 3:13

全編良いのですがバック・オーエンズのA2,グラム・パーソンズのA4とB6、ハンク・ウィリアムスのB3とB4、ロドニー・クロウエルのA6は特に良いですね。少し音量を上げて聴くと、非常に気持ちがいいアルバムです。ここでは一番聴きやすいビートルズのカバーを貼り付けておきます。

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