備忘録 猟盤の記録:1975年特集 vol.14-Orleans-Let There Be Music

ヒット曲Dance with me収録のOrleans3枚目。この曲の人気でタマカズが多いのか、Orleansの中古レコードは安価に出回っていますが、本作品と次作のWaking and Dreaming(1976)は買って損しないレコードだと思います。ソフトロックとカテゴライズされがちなバンドですが、どちらかというとカントリーロック系の音作りをしています。バンド名の通り元はニューオリンズ音楽大好きミュージシャンの集まりで、コーラスワークも巧み、演奏力も高いグループなのですが、Eaglesの二番煎じなどといわれて、本国アメリカではあまり相手にされなかったようです。

リーダーのJohn Hallは次作で脱退し、Bonnie Raitt, Jackson Browneらと反原発コンサートNo Nukes(1979)などで政治的な立ち位置を明確化させ、ついには反原発運動支持者から票を集め、ブッシュ~オバマ政権時に下院議員を一期務めるほどになっていきました。ジャケット中央の眼鏡男がJohn Hallですが、ミュージシャンというよりは物理教師や政治家という方がしっくりくるような風貌です。

Dance with meはEarl Klughのガットギターのカバーが素晴らしいですし、Stuff, Chet Atkinsらにもカバーされています。日本でもWinkがカバー曲を出していましたね。狸小路7丁目近くにあるAfter Darkという小さなライブハウスで、村田和人さんが亡くなる2年前まで、年に1~2回ライブを演っていましたが、私が行った3回のうち2回の公演でDance with meを歌っていました。村田さんはオーリアンズ好きで知られていますが「ORLEANS ~想い出のオーリアンズ~」という曲も残しています。

A1 Fresh Wind 3:31
A2 Dance With Me 2:23
A3 Time Passes On 3:33
A4 Your Life My Friend 3:15
A5 Let There Be Music 4:04
B1 Business As Usual 4:12
B2 Cold Spell 4:19
B3 Ending Of A Song 3:18
B4 Give One Heart 4:03
B5 You’ve Given Me Something 3:47


A2, A3, A5などA面に聴きどころが多いです。B面も明るい曲が多く、アルバムを通してさわやかで、陰のない音楽をやっています。ロックファンは多少、陰翳の要素を求めがちと思いますが、彼らがビッグになり損ねたのは、あっけらかんとしすぎていたからかもしれません。メチャメチャいいバンドなのですが・・・

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