Ohio Playersはやから的な演出やあからさまに性をテーマにする歌詞を多用するので、あまり好みではないのですが、彼らの代表作でもある本作は70年代を象徴するFUNKアルバムの1枚と言っていいでしょう。スライやJBやP-FunkやMetersやEarthやIsleyなど一口にFUNKといっても相当多様性があるジャンルで、Ohioは他と一線を画した歌詞の世界観(エロス)、音作りで後のHip Hopのムーブメントに直接的に引き継がれたバンドとして重要視されている印象もあります。

PrinceもOhioからの影響を公言していて(エロ歌詞も含め)、”I Want to Be Free”や”Heaven Must Be Like This”のコピーを録音に残しています。特にプリンスと懇意にしていた、オハイオ・プレイヤーズのフロントマンである故リロイ・シュガーフットは「私たちは、プリンスの音楽に多大な影響を与えたと考えている」と回想しています。少なくともプリンスのバンドThe TimeのアルバムはOhioと似通っているといえば、そうかもしれません。
A1 Honey
A2 Fopp
A3 Let’s Love
A4 Ain’t No Givin’ Up No Ground
B1 Sweet Sticky Thing
B2 Love Rollercoaster
B3 Alone

Ben SidranやStyxが御用達のParagon Recording Studios録音で、録音が非常に良いです。ビルボードNo.1ヒットとなり、90年代にレッチリがカバーしたB2Love Rollercoasterなんかはキャッチ-なメロディーを売りにした万人受けする曲で、いかついFUNKバンドの音には聞こえないかもしれません。とはいえ、A2FOPPなどで聴かせる粗削りでソリッドな演奏は、危険な雰囲気を醸し、いかにもオハイオの裏路地から出てきたというような、ローカリティが感じられるところが非常に良い部分ではあります。定番ではありますが、B2を載せておきます。
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