備忘録 猟盤の記録:1975年特集 vol.44 Native Dancer – Wayne Shorter

ずっと欲しかったLPですが、程度が良い盤の相場がだいたい5,000円前後だったため、これまで購入を見送っていました。ところが、近所のブックオフで中古盤を1,210円で見つけてしまいました。琴似神社で引いたおみくじが大吉で、「失せ物見つかる」と書いてあったこともあり、さっそく運を使ってしまったようです(別に失せ物が戻ってきたわけではありませんが)。

Wayne Shorterは、私が非常に好きなサックス奏者です。Juju(1965)やWeather Report時代の作品など、好きなアルバムはいくつもありますが、どれか一枚を挙げるとすれば、やはり本作『Native Dancer』になります。

このアルバムは、明確にカテゴライズするのが難しい音楽です。ジャズでありながらフュージョン的な要素も持ち、さらに Música Popular Brasileira(MPB) のエッセンスが濃厚に詰まった作品となっています。同年、Shorterはウェザー・リポートの『Tale Spinin’』で世界各地のグルーヴをジャズと融合させたトロピカルな世界観を押し広げていますが、『Native Dancer』の音楽世界も、広い意味ではその延長線上にあるように感じられます。最初の奥さんのAna Mariaさんがブラジル系であったことも、本作の制作につながったと言われています。

このあたりの背景については、Amazon Primeで配信されているドキュメンタリー映画「Wayne Shorter: Zero Gravity」で詳しく知ることができます。非常に見応えのある作品で、おすすめです。

アルバムは、Milton Nascimentoの美しい歌声で始まる「Ponta de Areia」で幕を開け、その時点で作品全体のトーンが決定づけられます。鍵盤はHerbie Hancockが担当し、アルバムを通してAirto Moreiraのパーカッションが、濃密なブラジリアン・グルーヴを支えています。

ナシメントの代表曲「Tarde」、Shorterが妻に捧げた「Ana Maria」、同じくShorterの名曲「Beauty and the Beast」などが散りばめられ、アルバムを通して一切だれることのない、素晴らしい楽曲群となっています。

LP盤についてですが、米国オリジナル盤(PC 33418)は、非常に厚みのある音を楽しめる音源として高値で取引されています。今回私が購入したのは、CBS/Sonyの国内盤(SOPN-137)です。DSD-CD盤も所有していますが、純粋な音質だけで言えば、そちらのほうが優れていると感じます。ただし、LPには1975年という時代の空気がそのまま封じ込められているような感覚があり、音楽を聴くというトータルな体験としては、やはりアナログ盤に軍配が上がります。

収録曲

Side 1

Ponta De Areia

Beauty And The Beast

Tarde

Miracle Of The Fishes

Side 2

Diana

From The Lonely Afternoons

Ana Maria

Lilia

Joanna’s Theme

やはり、まずはA1の「Ponta de Areia」を聴きたいところです。名曲、Earth, Wind & Fireの「Brazilian Rhyme」にも影響を与えたと言われる楽曲であり、本作の世界観を象徴する一曲だと思います。

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