備忘録 キング牧師没後50年

マーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたのは、50年前の今日、4月4日。享年39歳。自分が生まれる2年前の出来事で、リアルタイムでニュースに触れたわけではないが、後追いでキング牧師を知るにつけ魅力を感じてきた。

1920

中学校の教科書にも演説の引用が紹介されていたと記憶しているが、リアリティを感じながらキング牧師について考えたのはプライドという曲を聴いた時。と言っても「私は今、南の星を見上げる~」の方ではなくU2のPride(In the name of love)の方だ。同曲は84年のアルバムUnforgettable Fireに収録されており、シングルカットされ1985年にヒットした。洋楽大好き中坊だった当時は、放映されていたMTV、ベストヒットUSA、ポッパーズMTVを全部ビデオ(しかもベータ)に録画し貪るように見ていた時期で、PrideはPVで初めて知った。随分と後にアルバムも購入したが、ブライアン・イーノとダニエル・ラノワお得意の透き通ったプロダクションに心酔した。

80年代前半のU2は東欧民主化応援ソングのNew Years Day、アイルランド血の日曜日を歌ったSunday Bloody Sundayなど、政治的不公正に一石を投じる硬派な歌を連発していた時期で、本作もメッセージ性が強い。歌詞はこんなだ。

One man come he to justify

一人の男が正義のために現れる

One man to overthrow.

弾圧に打ち勝つために現れた男

In the name of love

愛のために

What more in the name of love.

愛の他に一体何があるというのか

Early morning, April four

4月4日の早朝

Shot rings out in the Memphis sky.

銃声がメンフィスの空に響き渡る

Free at last, they took your life

命奪われた時 あなたは遂に自由を得た

They could not take your pride.

しかし その誇りは決してあなたから奪い去ることはできない

What more in the name of love.

愛の他に一体何があるというのか

この「Free at last, they took your life. They could not take your pride. In the na~~~~~me」からAメロのくだりは聴くと震える。

キング牧師を暗殺したのは白人至上主義者のジェームス・レイというひとりの青年だが、Prideの歌詞では”They” took your lifeと暗殺者を複数形にしている。They は公民権運動に反対する社会そのもので「キング牧師を暗殺したが、その志は止めることができなかった」とボノのナイーブで希望的な見方が織り込まれているとみるのが妥当だろう。エッジの切れのあるギターフレーズにボノのシャウトが乗っかってくる名曲。聴くと血が騒ぐ。

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もう一つキング牧師関連で印象的な曲がある。Bobby WomackのAmerican dreamだ。「I Have A Dream・・・私には夢がある。いつの日か、かつての奴隷の子達と、かつての奴隷の所有者達の子達が、席を並べられる事を・・・ 」の演説をコラージュして黒人への希望を込めている。

こちらもPrideと同じ1984年発表だけど、収録アルバムPoetⅡを手に入れた1990年まで自分は知らなかった。David T. Walkerのギターが気持ちよく鳴るバラードで、Bobby Womackの数ある名曲の中でも大好きな一曲。その他にもStevie WonderのHappy BirthdayやElvis PresleyのIf I can dreamなど、キング牧師にインスパイアされ作られた曲は多数存在する。

自分が編集にかかわる機関誌でも「キング牧師殺害から50年」と題した記事を掲載した。執筆者の小倉孝保毎日新聞社(元)外信部長は「彼の夢は実現したのだろうか。米国では移民排斥を求める声が強まり、米国社会の人種・民族・階級の壁はむしろ高くなっているようだ」と警鐘を鳴らし、結んだ。キング牧師が掲げた愛・平等・非暴力の一条の光が、仄かにでも輝き続けていて欲しい。

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キングと言えば、キングクリムゾン結成50周年日本公演で札幌に来るというニュースが飛び込んできた。12月2日、目下建設中の札幌文化芸術劇場hitaruにて。チケットは16,000円からとディランよりもお高い。さて、どうすっぺか。

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