デジタル・アナログ・コンバーターが出回り始めたころ、黎明期のONKYO DACー-1000。導入して半年経ったのでレポートを。

繋いだ時と外した時の音の差は激変するというほどではないが、クリアかつまろやかに聴こえる。ただし、本領を発揮するまで電源入れてから30分程度の暖機運転が必要で、それまでは外しているときと差があまり感じられない。機械があったまってくるとCDに直接アンプを繋げるのに比べ、クリアで温かみのある音質を提供してくれる。明らかにというほどではないけれど、微妙に音質がよくなりアナログ的な温かみを感じる。
本機のメリットは入力端子がたくさんあるので、セレクターとしてうまく使うといろいろな音源を高音質で楽しむことができるということ。光、同軸、AES/EBU、USBの入力端子を搭載し、USBは最大192/32bitまでのフォーマットに対応。ハイレゾ音源はIPhone+ライトニングUSBケーブルで再生可能。あと、うちではテレビを光ケーブルで繋いでおり、映画やサッカーなど見るときには重宝している。ブルーレイなどは音の情報量が多いので、かなりしっかりした低音を鳴らしてくれ迫力がある。動的ノイズを抑制する「DIDRC(Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry)→とは何ぞや??」の効果で、落語など隙間の多い音源を伴う映像が臨場感たっぷりに楽しめる。NHKでやっている日本の話芸などを見ると演芸ホールに身を置いているような音の演出をしてくれ、出囃子から楽しい。他でも指摘があるが、難点はリモコンがないところ。テレビ、アンプのコントロールはリモコンでできるだけにDAC-1000に遠隔操作機能が無いのは残念。

とはいえ入手価格が30,000円程度で高音質化を図ることができ、スイッチャーの機能としても役立つのはやはりお得感がある買い物。DACの新機種はネットワーク経由再生用が幅を利かせているけれど、CD溜め込み派の自分としてはCDラックを前にアルバムを探すことも音楽体験の一つ。ハイエンドなピュアオーディオにはもっと高~いDACでなくては太刀打ちできないだろうがスピーカー+アンプ+CDプレーヤーの予算が25万以内くらいだと、本器は絶大な効果を発揮するのでは。
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