備忘録 David Matthews(of Manhattan Jazz Quintet) 千歳に住む

 

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本日の道新朝刊にこんな記事を見つけた。なんとデビッド・マシューズが4月から千歳市に住んでいるそうな。

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マシューズといえば個人的には高校の時によく聴いたManhattan Jazz Quintetが印象深い。スティーブ・ガッドとエディ・ゴメスが屋台骨、マシューズのピアノ、ルー・ソロフのトランペット、ジョージ・ヤングのアルトサックスでスタンダード曲を演奏していた。ジャズ好きの同級生からアルバムを借りたが、ジャズに目覚め立ての自分の耳には馴染みが良い、教科書通りの音だったと記憶している。My Funny Valentineに収録されているMr. PCとコルトレーンの本家バージョンを聴き比べ、当時はアドリブが少なく聴きやすいMJQバージョンの方がいい!と感じていた。

後追いで、マシューズの裏方としての仕事を知ることになるのだが、個人的にとても素晴らしいと思うのはJames BrownのI Got A Bag Of My Ownのアレンジだ。Get on the good foot(1972)に収められている本作はそれまでのJBファンクと一線を画し、Jazz的なアプローチを感じさせるスピード感がある名曲だ。

 

 

この曲に関するマシューズのインタビューを見つけたが面白かった。

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『I Got A Bag Of My Ownは僕がアレンジした。実はこれにもストーリーがあるんだ。ジェームス・ブラウンがあるとき、(彼の1965年の大ヒット)「パパズ・ガット・ア・ブランニュー・バッグ」を持ってきて、これをアレンジしてくれ、と言った。それで僕は曲を聴いて音を取り、アレンジして譜面に起こした。そして、これもゴードン・エドワーズのベースや、ランディ&マイケル・ブレッカーらニューヨークのスタジオ・ミュージシャンが録音に参加している。そして、この「パパズ…」のトラックができあがったら、ミスター・ブラウンがやってきて、その上に全然違うメロディーと歌詞をのっけて歌ったんだよ。そうして出来上がったのが、この「アイ・ゴット・ア・バッグ・オブ・マイ・オウン」なんだ。だからこの「アイ・ガット~」をかけると、ちゃんと「パパズ~」の歌詞が乗ってはまるんだよ。』(出展:吉岡正晴のソウル・サーチン)

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Papa’s got a new bagのリメークから生まれた曲だったとは!因みに”bag”というのはスラングで“スタイル”のような感じ。なのでI Got A Bag Of My Ownは「独自の(音楽)スタイルを見つけたぜ」、Papa’s got a new bagは「パパは新しいスタイル見つけたぜ」なのだ。浸透している「パパのニューバッグ」だと直訳の「鞄」を想像してしまうが、さに非ず。

JBのアレンジャーとしての仕事の後はCTIレーベルに就いた。個人的には名盤だと思っているニーナ・シモンのアルバムBaltimoreでもマシューズはアレンジャーとしてクレジットされている。が、『Joseph McCombsはAll Music Guideにおいて5点満点中2.5点を付け「彼女の声は、アルバムを締めくくるゴスペルの伝承歌に至るまで常に好調だが、アレンジャーのデヴィッド・マシューズは彼女にはミスマッチだ」と評している』(出展:Wikipedia)マシューズのアレンジは変調が多くかなり個性的な部類に入る。好む好まざるは人それぞれだが、このアルバムはシモンの復帰作としてビルボード12位までチャートをかけのぼった。

 

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何はともあれ、デビッド・マシューズのような、ある筋にとっては大御所が千歳市に住んでいるとは、なかなかではないか。しかも千歳市内でライブもやるとは。記事を見つけてムムムと唸ったのであった。

 

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